青い車

映画「青い車」

やっと感想w


監督:奥原浩志
出演:ARATA/宮崎あおい麻生久美子田口トモロヲ


暗い影を落とした荒野に一人の少年。脇には一羽のアヒル
目の前には、一本の大きな樹。
その樹には、首を吊った人影。
対峙する少年に向かい合うもう一人の少年。
フラッシュバックした少年の目は大きな傷。


トラウマを抱え、サングラス越しに世間と隔絶して生きるリチオ。
心の内を恋人のアケミにも見せず、距離を置いたままの毎日。
ある日、リチオの前にアケミの妹・このみが現れる。
流れるままにリチオの部屋へやってきたこのみ。
姉の恋人と知りつつもそれ以上の気持ちをもっていたこのみは
リチオのサングラスの奥の世界に興味を抱く…


宮崎あおい×麻生久美子
ありそうでなかったカップリングへの喜び。
ごく自然な姉妹のたたずまい。
画面からあふれ出す「美」の競演。
アップとその「間」に絶えうるあおい嬢の存在感。
決して破天荒な物語でもないし
ありがちな日常だったり
どこにでも見かけるワンシーンだったりするんだけど
青い車に乗って、全てを背負い時間は流れていく」といった感じ。


リチオの抱える苦悩は決して説明されず、リストカットするシーンに痛さを覚える。苦悩の大小や痛みの重さではなく、解決されない問題を抱えたまま生きてかなくちゃいけない人間の「性」に小さな共感を覚える。初めて見たARATAクン。過去のモデルの面影とかはあんまないね。

ごく普通の家庭のいい子の“このみ”。
若さからくる瞬発力や無鉄砲さ、禁断の実に手を出してしまう衝動と反芻。
“悪い子”になっていく不器用さが、後々胸に響くよ。
図らずも傷つけてしまったこととか
もしかしたら自分が原因だったのでは?とか
当たり前にそばにいる存在だった姉を失った後、海辺で叫んだ台詞に涙。
やっぱり物語に溶け込んでる宮崎あおいが好きだなぁ〜


もどかしさが切ないッス