「初恋」の簡単な感想

 鮮烈な三億円事件の犯人は女子高生だった」というキャッチコピーと真正面を見据えた宮崎あおいモノクローム。そんなキービジュアルのインパクトに反して映画のタイトルは「初恋」。このコントラストに強烈に惹かれた公開までの日々がやっと終わりを告げ、(実際には試写会にて先行して拝見できたのだが) いよいよ映画は封切られた初日。


 舞台挨拶が行なわれる劇場へ向かった・・・


 映画は鬱屈した瞳をしたあおい嬢のアップで始まる。ほほのそばかすに目を向けながらも、その少女の瞳に射すくめられたまま駆け抜ける2時間。昭和の大事件と初恋を結ぶ点と線がリンクしたとき。ジンワリと低音火傷でもしたかのような熱を心に帯びたまま劇場を出た。


 狂おしくせつなくノスタルジーにむせた心地よさが今も胸の奥に広がっている。